万能の木パンダナス(タコノキ)


 トップエンドには、主に2種類(Pandanus spirals&Pandanus aquaticus)のパンダナスが生えています。パンダナスは、アボリジニの人々にとって食べ物(Bush Tucker)や薬(Bush Medicine)などいろいろと使い道のある大変有益な植物です。

*食料として   

パンダナス(Pandanus spirals)の実はこんがりと焼かれた後、ナッツのような香りの果実の仁が取り出され食べられます。柔らかい新鮮な葉っぱの基部は生のまま食べられ炭水化物を含んでいます。そこでアボリジニの人々は移動の途中に、これを手頃な食べ物として利用します。

*薬として    

成長点にある白いキャベツ状の葉芽は緑色の染料として、また傷口への殺菌薬として用いられます。柔らかくて白い葉の基部を良く噛んで飲み込むと喉や口の中のひりひりした痛みが取れます。葉の茎の部分を切り刻んで水で煮だした液を漉すと目薬にもなります。頭が痛い時には葉っぱを乾かして軟らかくしたものできつく頭を縛ります。支柱根を煎じた液は疥癬につける薬になります。

*工作物の材料として     

アボリジニの人々は葉っぱを乾かしバスケットやマットを作ります。幹は、筏やディジャリドー(菅楽器)にも使われます。水辺に生える水性パンダナス(Rirver Pandanus/Pandanus aquaticus)の支柱根の繊維を取り出し、長くてぶ厚いハケや強いロープが作られます。

パンダナス


葉のような小舌片 水性パンダナスの実 パンダナスの実

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