前頁へクルーズ考へ戻る旅コムトップへ




ハネムーンを祝うケーキのプレゼント
ハネムーンを祝うケーキのプレゼント

 シャンパンとダンスと談笑に彩られた歓迎パーティーに引き続き、メインダイニングルームで歓迎晩餐会が始まった。このテーブルでは素敵なご夫妻と同席になった。それは新婚旅行で乗船中の齊藤光さん早希さんご夫妻。話を伺ったところ、なんとプロポーズの場所は、レストランシップ・レディクリスタルの発着する品川のクリスタルヨットクラブとのこと。そして新婚旅行はクリスタルセレニティの地中海クルーズだという。つまり、お二人の人生航路の船出には最小のクリスタルと最大のクリスタルが舞台となっているという、羨ましいカップルなのである。

 日本では、とかくクルーズ客というと暇のある富裕な年配者限定の旅というイメージがが今でも少なくないが、日本の若い人が地中海までやってきてクルーズの新婚旅行を楽しんでいる様子には感心してしまった。当日も夕食のテーブルにはクリスタルセレニティからお祝いのケーキが届く素敵な演出。周りの祝福を受け、幸せに輝いているお二人の姿はこちらまで、嬉しい気分にさせてくれた。

 元来、海というデスティネーションは若者にも絶大に人気がある場所である。ましてや、クリスタルセレニティは客室の85%がベランダつきなので、毎日動くオーシャンフロントに乗って旅をするようなものだ。しかも太陽の下のプールタイム。潮風に吹かれて食べるデッキランチ。星空の下のダンスタイム。そして2人だけでベランダから眺める月の光・・・。そんなロマンティックなシーンが連続するクルーズという旅はハネムーンにもぴったりの世界でもある。

1日1組限定のワインレストラン「ザ・ビンテージルーム」
1日1組限定のワインレストラン
「ザ・ビンテージルーム」
 ところで、クリスタルセレニティは「味覚の船」と呼ばれるほど食の選択肢が豊富だ。しかも高品質でユニークな思想のレストランがこれほど数ある船も珍しい。その代表格は1日1組限定の予約制ワインレストラン「ザ・ビンテージルーム」だ。早速この洋上の隠れ家的レストランを試してみた。まず、予約が取れたら、ディナーの数日前に、ロマネコンティやシャトーマルゴー等々の銘柄ワインが並ぶリストからヘッドソムリエと相談しながらワインを決めていく。ワインが決まるとそれにぴったり合ったコース料理を当日用意してくれ、ワインは有料だが、料理は無料というシステムだ。

 当日は、ゲスト6人に対し、ヘッドソムリエやウエイターが計4人で付ききりのサービスに当たってくれた。テーブル上にはその日のメニューが用意され、選んだワインも考えたもので「ヨーロッパワイン紀行の晩餐会」という洒落た題名がつけられていた。ワインを1本開けるごとにヘッドソムリエが説明をし、その後はワイン・テイスティングをするもよし、ただ気ままに飲むもよし。限られた人だけで集う晩餐会は、極上のワインと美味しい料理、そして打ち解けた会話に盛り上がった。やがて宴もたけなわとなった頃、窓の向こうに広がる海原を金色に染めて夕日が沈み始めた。それは息を呑むほど美しい「黄金の地中海ワインディナー」となったのであった。そして翌日、クリスタルセレニティは、クロアチアのドブロブニクに入港した。



-2-

前頁へクルーズ考へ戻る旅コムトップへ