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世界最高峰の6つ星客船、ロイヤルバイキングサン

ロイヤルバイキングサン・地中海クルーズ



ロイヤルバイキングサン



 「あのレストランはミシュランの3つ星を獲得した」「○○は、3つ星から、2つ星に格下げだ」。最近よくこんな言葉を聞くようになった。

 同じようにクルーズ船でも、星の数や、リボンの数でレイティング(格付け)が行なわれている。その中の、97年版フィールディング・クルーズ・ガイドで最高の6スターを獲得し(6つ星船は12叟だけ)、併せてベルリッツのクルーズガイドで8年連続トップの座に輝いている客船(ベルリッツのクルーズガイドは98年版から、採点方法が大幅に変わり、中型船部門で1位となった)がある。キュナードのロイヤルバイキングサンだ。

 今回は、このロイヤルバイキングサン(以下サン)を通して、世界最高峰のクルーズ船の魅力を探ってみよう。

統計的に、高い評価を得ているクルーズ船は、不定期船が多い。世界各地のベストシーズンに、その地ならではの祭りや、文化を組み込んだコースを設定し、船旅に歴史と浪漫の味付けを加え、より奥行きのあるクルーズを作り上げる手法だ。もちろんロイヤルバイキングサンも、コース設定には工夫を凝らしている。

 例えば、5月に乗船したロイヤルバイキングサンの「地中海モザイククルーズ」は、世界古代7不思議の内、4つ(オリンピアのゼウス神座像、ギザのピラミッド、アレキサンドリアのファロス灯台、エフェソスのアルテミス神殿)を巡り、イスラエルで聖書の舞台に触れるコースだ。極上の船内生活に、各寄港地での珠玉の思い出をちりばめて地中海にモザイク画を描き出す、なんとも洒落たクルーズとなった。

 このところ、海外は新造客船ラッシュである。10万1千総トンの巨体を誇る船。コンピューターライズされた2階建て劇場を持つ船。ネオン輝くエレベーターに象徴される派手な装飾で船客の度肝を抜く船。そんなピカピカのニューフェイス達が次々と誕生する中で、1988年生まれ、3万8千総トンのサンが世界トップクラスの座を維持し続けている秘密をまざまざと見せつけられたのは、イスラエルのハイファに入港したときのことだった。


山上の垂訓教会
 当日、私はナザレ・ガリラヤ地方へのオプショナルツアーに参加した。

 ガリラヤ湖を望む山の上には、山上の垂訓教会が建つ。この地で、イエス・キリストが「こころの貧しい人たちはさいわいである」から始まる教えを説いたことを記念して立てられた教会だ。

 「2匹の魚と5つのパン教会」には、魚とパンのモザイク画。イエスキリストが2匹の魚と5つのパンを祝福し分け与えると5千人以上が満腹し、なお12籠のパン屑があまったと言う新約聖書のシーンが蘇る。ランチタイムには、尾頭付き、魚の丸焼き。この見慣れない魚の名前は「聖ペテロ」、イエスの弟子の名前だった。

 そして、聖母マリアがガブリエルから受胎を告知された、アナウンシエーション教会。小学校から大学まで、キリスト教系の学校で学んだ私にとって、初めて目の当りにする本物の聖書の舞台は、興奮の連続だった。




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