かなり厳しい状況だけれど何とか努力してみるということで、すべて彼に委ねることにした。数日して彼から電話があり、バンクーバー直行便が取れたという。しかし帰国便はバンクーバーからの便は満席で、東海岸のトロントからの便だという。まあ何とか取れたのは幸運だが、直行便運賃が高い上に、カナダを横断して東海岸から戻って来るとなると、すさまじく高い運賃になってしまうのではないか。A氏にこれを伝えなければならないことを考えると、たとえ取れたとしても価格の点ではとても納得してもらえないだろうなと、思わずため息をついてしまった。
友人はその心情を見透かしてか、「東部の紅葉を見て来るにはちょうどイイ時期じゃないか。この航空会社のカナダ周遊運賃は国際線自社便利用者には大幅割引運賃になっている上に、帰りのトロントから直行便は割引がきくから、逆にバンクーバー運賃にたった1万円を加算するだけで、カナディアンロッキーの入り口カルガリーはもとより、トロント、そしてカナダのヨーロッパといわれるケベックまで足をのばしてみたらどうだ。これは米国や東南アジアの航空会社には絶対無理だよ。ところで君の友人は、その東南アジアの航空会社の切符を買ったらロサンゼルスからカナダまでの航空券はどうするつもりだったんだろう。」と聞くので、私は「今は少し円安になったといっても、まだまだ円高だし、ロスについてからカナダ行きの割引切符を買えば安い」という彼から聞いたいたことをそのまま伝えた。
友人はすぐさま次のように反論してきた。
「とんでもない。空港では割引切符なんて売っていないぞ。あるのは普通運賃だけだ。これに10%以上もの現地の税金を加えたら、すさまじい金額だ。通しで買っても、その場その場で買ってもかなりの金額となってしまい、北米大陸内の運賃だけでも国際線運賃を上回ってしまうぞ。第一、国内線はビジネス客でいつも混んでいるから、当日、それも数時間前に予約を取るなんて不可能さ。予定便が満席ならば空席待ちするか、それでも乗れなければ、その場で立ち往生さ。予定がガタガタに狂ってしまうぞ。更に米国や東南アジアの航空会社は国際線の席が取れたとしても、カナダ国内に路線を持っていないから、カナダ国内線の周遊券を別に買わなくてはならない。これを足すと今取れている直行便の会社より高くなる。」
「それにバンクーバーより2時間近く余分に飛んでロサンゼルスで米国入国をし、待ち合わせの後、再び2時間同じルートを引き返してバンクーバーでカナダに入国する。直行便なら午前中に到着できるものが、経由便の場合は半日以上のロスが出る。ヘタをすると夜遅くなってしまう。」
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秋のケベック |
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