「これは決して予約の取れた直行便航空会社をホメたたえ、その他の航空会社をけなしているのではなく、そういう事実を知っていて選んだのかどうかだ。カナダの１地点を往復するだけならいいが、周遊する場合はかえって高い運賃になってしまい、スケジュールにロスが出ることがある。１０日間程度の海外旅行で半日なり、１日の時間的ロスをみることは金銭換算すると大きい。それに往復の行程で疲れてしまっては、せっかくのメインの旅行が楽しめないだろう。確かに今回予約の取れた航空会社はバンクーバーを往復するだけでみると高いかもしれないが、ルート全体でみると決して高くはないよ。むしろ割安じゃないかな。僅かの追加で、予定外の東部を回ることができるのだし、日程を目一杯使えるから直行便のメリットも大きい。」

ヨーホー国立公園

　最初は価格が高いからと渋っていたＡ氏も、友人から言われたことをそのまま説明すると「第一希望の便が取れなかったことが、かえってよかった。もし予約が取れていたら、高い買い物をしたことになる。」と了解することになった。
　もちろん私は東南アジア系の航空会社がよくないと言っている訳では決してない。内容を良く調べずに目先の価格だけで判断してしまうのが、コワイということを言いたいのだ。もちろんロサンゼルスやサンフランシスコの往復や３カ月を越える滞在の場合は東南アジア系の航空会社の方が安いことの多いことも事実だ。

　以上のようなことは旅行情報誌やガイドブックに書いていないから、持つべきものは良き友、いやホームドクターと同じ良き相談相手となる旅行会社である。今回は航空券の選び方だけでだいぶスペースを割いてしまったが、個人旅行の費用と内容を大きく左右する項目だけに、ご容赦いただきたい。次回は宿泊施設と行程についてＡ氏とのやりとりを交えながらアドバイスさせていただく。