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<その11>

ロサンゼルス/シカゴ・コース

西のロスから中西部のシカゴまでルート66を走る



 人気を博したテレビ番組「ルート66」のコース沿いに、西の米国第二の都市ロサンゼルスから第三の都市であるシカゴまでを走破するダイナミックな大陸横断ドライブです。

 1950年代のイメ−ジで大陸横断ドライブを楽しむコース。とりあえずここでは8日間のコースとしてありますが、当時のTV番組のように、それぞれの町で様々な体験を期待するなら、最低でも16日間位のコースを体験したい。

 日本からは、それぞれノンストップ便が多い出発と終点の空港です。ロサンゼルス空港からレンタカーをして出発、終点のシカゴのオヘア空港に乗り捨てるまでの片道レンタルでドライブします。ここでは実際に私が1967年以来何度か訪ねたコースを組み合わせて紹介します。

 砂漠地帯に水を引いて出来上がったロサンゼルスやラスベガス、砂漠のままのグランド・キャニオンやギャラップ、サンタフェなどを訪ねた後、大平原がどこまでも続くテキサス州やオクラホマ州を抜け、地面が少しずつ下っていく感じのルートを巨大なミシシッピー川まで下ると、そこにはセントルイスがあります。そして典型的なアメリカの農村地帯のイリノイ州を縦断してミシガン湖畔に出る。そこにシカゴがあります。





コースガイド

 1日目

モハービ砂漠を抜けラスベガスへ

 ロサンゼルスから第一日目は、モハービ砂漠を抜けルート66から少しはずれラスベガスまで走るコース。

 ロサンゼルス空港から出発する場合はすぐ前の高速道路になっているインターステイト405号線をNORTHへ。そしてすぐインターステイト10号線をロサンゼルスの方向EASTへ。このインターステイト10号線はロサンゼルスのダウンタウンの脇を抜け、最終的には東海岸のフロリダ州までつながっているが、ここではインターステイト15号線のNORTHを一路ラスベガスへ向かう。

 バーストウのすぐ先にキャリコ・ゴーストタウンがある。ここは、1800年の終り頃栄えた町を復元保存した公園で、西部一帯にあったゴーストタウンの様子を垣間見ることができる。その先のベイカーから寄り道してデスバレーを訪ねることもできる。

 しかし夏の暑い季節には、十分注意を要するコースだ。モハービ砂漠はこのあたりからベイカーの町の名前のように暑さが増してくる。車の温度計にも注意して欲しい。ラスベガスへはこのままインターステイト15号線で入って行く。

 

モハービ砂漠

 

ラスベガス



 2日目

ラスベガスの先から本来のルート66へ戻り、アメリカを代表する国立公園、グランド・キャニオンへ。

 ラスベガスの新しいホテルが並ぶTHE・STRIPと呼ばれるラスベガス・ブルバードから東側を平行して走るボルダー・ハイウエイ、国道US93号線のSOUTHでアリゾナ州との州境の町ボルダーへ向かう。ここでギャンブル公認のネバダ州を出る。ギャンブル公認のラスト・チャンスの町だ。

 コロラド川をせきとめて出来た巨大なフバー・ダムの上を国道US93号線は進む。ここでパシフィック標準時からマウンテン標準時の地域へ入っていく。ダムの中を見学するコースもある。キングマンの町から本来のルート66(国道US66号線)へ戻るが、インターステート40号線も一緒になったり、時には平行したりしなが走る。

 フラグスタッフの手前のウイリアムスでまたルート66から離れて、州道64号線のNORTHでグランド・キャニオン国立公園へ。出来ればホテルは、エル・トバーかブライト・エンジェル・ロッジに泊まれれば最高、6カ月から一年前の予約が必要である。

 

フーバー・ダム

 

グランド・キャニオン



 3日目

ニューメキシコ州へ入り、カウボーイとインディアン文化の町ギャラップへ。

 グランド・キャニオン国立公園から東側のデサート・ビューの方向にあたる出口を出て州道64号線、国道US89号線のSOUTHと進み、フラグスタッフへ。ここでルート66(国道US66号線)へ戻りEASTへ。

 この国道US66号線もインターステイト40号線と一緒になっている。途中インターステイト40号線の左右には国立公園になっているペトリファイド・フォーレストやパインテット・デザートがある。ここではいくら地面に落ちている石といえども大切な化石なので拾うことは厳禁である。

 ウエルカム・トゥ・ニューメキシコのサインでニューメキシコ州の入る。EXIT・16でルート66(国道US66号線)へ出るとギャラップの町の中心街へ出る。町の中心はアムトラックのギャラップ駅のあたり、インディアンの博物館のなどもある。2日滞在すれば郊外のチャコ・キャニオンを是非訪ねたい。砂漠の中を何時間もかかって遺跡として残るインディアン文化の訪ねて歴史の素晴らしさに感動するところである。

 

ギャラップ

 

チャコ・キャニオン



コラム: 片道レンタル

 アメリカ大陸で横断や縦断ドライブの旅を行うときには、レンタカー会社の片道レンタルのサービスを利用すると便利。これは、「ワン・ウエイ・レンタル」とか、「ドロップ・オフ・サービス」とか、「乗り捨て」とか、「乗り捨て自由」などと呼ばれるもので、予め予約をしておけば、同じレンタカー会社ならばアメリカ中どこの「レンタカー・デポ」でも「ピック・アップ」したり、「リターン」したり出来る。この場合、特別割引の制度などは利用できないことが多く、また「ドロップ・オフ・チャージ料」がかかることが多い。しかし非常に効率良いドライブの旅ができるので、お勧めだ。ちなみに、フロリダ州とか、カリフォルニア州内では通常の料金で乗り捨て自由としているレンタカー会社も多い。

 レンタカーの場合、車を受けとる時は「チェック・アウト」と呼び、車を返す時を「チェック・イン」と呼ぶ習慣があるが、ホテルの場合と間違えやすいので、「ピック・アップ」と「リターン」を使う方が間違いがない。

 間違いと言えば、実際にあった話ですが、「乗り捨て自由」と聞いてレンタカーをレンタル会社からレンタルするまでは問題なく出来たのですが、「乗り捨て自由」の意味をとり違い、「自由にどこにでも車を置き去りにして良い」と思ってしまい、出発する空港のターミナルの駐停車禁止の所に置いたまま飛行機に乗って出発してしまった日本人がいたという。レンタカー会社のひとから聞いた話ですが。「駐停車違反」、「レッカー代」、広いアメリカ大陸のどこに乗り捨てたのかもわからず「車の捜索の費用」など、莫大な請求書が送られることにはずです。

 

ロサンゼルス空港のレンタカー会社

 

シカゴのオヘヤ空港




 4日目

アルバカーキをぬけ、スペイン文化とインディアン文化の残る古都サンタフェへ。

 インターステイト40号線にもなっているルート66をEASTへ。ニューメキシコ最大の町ALBUQUERQUEはアルバカーキと読む。スペイン式の町の残るアルバカーキのオールド・タウンに寄りながら、南北アメリカを貫くパンアメリカン・フリーウエイにもなっているインターステイト25号線のNORTHへ。国道US285号線の出口でNORTHへ。

 この国道US285号線の東側には、オールド・サンタフェ・トレイル、昔のサンタフェ街道が今でも残されている。出来れば何日か滞在し、滞在中にはアメリカ有数のショッピングの町、芸術家の町、インディアン文化の町を楽しむと良い。町の中心のプラザあたりや町から東に伸びているキャニオン・ロードにも出掛けて見ると良い。ホテルは古いインディアンのプエブロ様式を残すラ・フォンダ・ホテルに泊まってみるのも貴重な体験である。

 

サンタフェ

 

キャニオン・ロード



 5日目

ロッキー山脈から連なる山岳地帯から西部の大平原へ下りてテキサス州へ。

 国道US285号線のSOUTHでルート66(国道US66号線)と一緒になっているインターステイト40号線へ、EASTへ進み一路テキサス州へ。このあたりからグレイト・プレーンズと呼ばれる大平原地帯に入っていく。

 どこまでも遮るものが無いため、風の強い日には、向かい風になるとスピードががたんと落ちる。また横風の時にはハイウエイをまっすぐに走るのに苦労する。横に大きなトラックが並んだ時などは、特に要注意。牧畜産業の中心都市アマリロあたりに一泊。キャディラック・ランチと呼ばれるキャディラックの廃車で作った彫刻はこのあたりの名物である。インターステイト40号線の右脇に見える。

 

テキサス州のウエルカム・サイン

 

キャディラック・ランチ



 6日目

石油の町オクラホマ州オクラホマ・シティーへ。

 グレイト・プレーンズの大平原地帯をインターステイト40号線のEASTを更に進むとオクラホマ州には入る。このあたりのドライブは、「アメリカでは車で丸一日走っても全く景色が変わらない」と言われるとおりの風景が続く。特に居眠り運転には要注意。しかしこの様な単調な広い道路を走る経験は貴重な体験である。

 インターステイト40号線は自然にオクラホマ・シティーの中心街へ入っていく。州議事堂や、家畜の取引所、オクラホマ・ナショナル・ストックヤードを訪ねたり、カウボーイの殿堂、ナショナル・カウボーイ・ホール・オブ・フェイムや、写真の殿堂、インターナショナル・フォトグラフィー・ホール・オブ・フェイム、更にカークパトリック・センターなどへも。

 

オクラホマ州議事堂

 

カウボーイの殿堂



 7日目

ミシシッピー川の支流、アーカンソー川河畔の町タルサを抜け、ミシシッピー川河畔の町セントルイスへ。

 オクラホマ・シティーでインターステイト40号線から、インターステイト35号線に乗り換えてNORTHへ、すぐターナー・ターンパイクと呼ばれるインターステイト44号線のEASTへ。アメリカでは、ミシシッピー川の西側ではあまり有料道路は無いのだが、この辺りにまで来ると時々有料道路を走ることになる。

 道路はミズリー州に入ると少しずつ下って行くように感じる。これがただの下り坂では無く、何時間もかけて少しずつ下っていくので、ミシシッピー川の巨大さを体験で来る感じだ。ようやく谷底に到着してミシシッピー川河畔のセントルイスの町に到着する。ミシシッピー川河畔に立つ巨大な西部開拓の記念碑、ゲートウエイ・アーチはただの展望台だけでなく、西部開拓をテーマとした展示館にもなっている。

 インターステイト44号線の終点からインターステイト70号線のNORTHを少し走るとダウンタウンに出られる。夕食はミシシッピー川河畔の外輪船のレストランなどで楽しむの一興である。


 

セントルイス

 

ゲートウエイ・アーチ



 8日目

アメリカ第三の都市、アメリカ商業の中心都市、シカゴへ。

 セントルイスからミシシッピー川を渡るインターステイト55号線のNORTHを進むとイリノイ州の州都、スプリングフィールドへ着く。スプリングフィールドはリンカーン大統領の町だ。高速道路になっているインターステイト55号線から、市街地を走るインターステイト55号線のビジネスと表示されている道路で州議事堂へ向かう。周囲にリンカーンを記念する当時の住まいを公園にして保存する町並みが残されている。リンカーンの墓も残されている。

 この後インターステイト55号線はアメリカを代表する農村地帯を進み真っ直ぐミシガン湖畔へ出る。湖畔のレイクショア・ドライブ、国道41号線(US41号線)のNORTHを進むとシカゴのダウンタウンへ出られる。


 

イリノイ州の農村

 

シカゴ



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