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 豫園

 飛鳥世界一周のルートは、西航。西へ西へと、時刻の遅いほうへ進むので、時差調整の上でも、体に楽である。

 3月5日。初めての外国、中国・上海に入港。対岸にはアジア一高い塔、468メートルの上海オリエンタルパールタワーがそびえる。市の南東部にある豫園は、四川省の役人であった潘允端が両親に贈った庭園で、2万平方メートルの中に微妙な配置を施して、広大な空間を生み出し「小の中に大を表する」という工夫が凝らされている。点在する楼閣。大小の池にかかる橋。武康石を積み上げた築山。それらを隔てる、龍の彫刻を施した龍壁。韻をふむ美しい詩の世界にさまよった様な見応えだ。

 昼食は、花園飯店のグランドボウルルームで、むき海老と桃の炒め、鹿のすね肉野菜添え等の中国料理。ここは、かつて毛沢東も周恩来も訪れた上海一のダンスホール・旧錦江クラブの跡地に建っている。夜は、船内グランドホールで、上海京劇団による目にも鮮やかな京劇が上演され、伝統芸能の魅力を存分に味わった。


 京劇

 3月8日。来年7月1日の中国返還を間近に控えた香港に到着。その後の先行きを案ずる人も多いはずだが、林立するハイテクビル、賑わう街並み、溢れるようなブランド品の数々を見る限り、そんな気配はあまり感じられない。しかも、あるホテルでは「歴史的な日を体験する」宿泊パックを売り出したという。このエネルギーとしたたかさも香港の魅力だろう。

 飛鳥が着岸したオーシャンターミナルから、一流ホテルやブティックが並ぶネイザンロード迄は徒歩で行ける近さだ。それぞれにグルメ&ショッピングを楽しんだ人々を乗せ、飛鳥は百万ドルの夜景に見送られ、香港を後にした。


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